石庫門, 上海 (日本語)
上海と聞くと、国際的な大都市としての地位がまず思い浮かぶだろうか? 確かに、上海は評判通りの現代のビジネスハブだ。しかし、この都市は変化に富んだ長い歴史でも知られている。そのことはご存知だろうか?
もし上海様式の複雑な建物を見ることに興味があるなら、豫園と外灘のことは忘れよう! その代わりに、上海の隠された宝石である張園を探索しよう。特色ある伝統的な家々を見ることができる。
「石庫門(文字通りには石の倉庫の門を意味する)」は、上海の中の西洋的な要素と中国的な要素が混ざった、特別な建築様式である。この興味深い様式の歴史は、ヨーロッパの開発業者が上海の家を設計していた頃にさかのぼる。
石庫門に期待できるもの
通り沿いに並んだ伝統的な家々、北京官話で「石で覆われた門」もしくは「石の門」を意味する「石庫門」は、独特な住宅の建築様式であり、西洋と東洋の建築要素の混合ゆえに注目に値する。この家々の多くは二階建てであり、煉瓦と木でできている。
張園を歩き回るのは、過ぎ去った時代へと続く道をたどることに似ている。石庫門建築の起源は十九世紀にまで遡る。上海にとっては、イギリスやヨーロッパの連合が進出した、騒がしい変革の時代であった。
#OOTDの撮影に良い場所を探している人にとっては嬉しいことに、石庫門の玄関口はしばしば壮麗で豪華だ! 中国の書ならではの美しい筆跡で住人の先祖の名前が書かれた額があり、その下で写真を撮ることができる。
石庫門がユニークで興味をそそるものになっているのは、設計・配置のされ方によるものだ。張園を空から鳥の視点で見る機会があれば、家々が格子状に配列されていることに気づくだろう。
里弄住宅を散歩すると、興味深い店の並びを見ることができる。周りの家々のための集会場や小さな食堂だ。通りに沿って流しやトイレといった共同設備があることにも気づくだろう。小さな家にはそうした設備をつけるスペースがないのだ。
これらの扉は、子どもたちがおしゃべりしたり遊んだりすることができる小さな庭へとつながっている! 狭い路地を歩き回ったあとにはありがたい眺めだろう。もちろん、住宅が密集しているおかげで、住人たちは近所の人と交流しやすくなっている。
嘆かわしいことに、今日では石庫門の状態は劣化しつつある。高齢の貧しい移住民が住んでいるという、住民の人口構成によるものだ。彼らは上海の歴史の中で不可欠な部分を構成しているのだが。これらの伝統的な住宅が過去のものになってしまう前に、旅程に組み込んで訪ねよう。そして、家に帰ったら、この過小評価されている観光スポットの話をして、友だちを驚かせよう。最後に、一つだけアドバイスを。ここはまだ住宅地なので、住民を尊重し、所有者の同意なしに私有地に侵入することはないようにしよう。
アクセス
張園に行くための道順
- 地下鉄の4番出口から、南京西路に出る
- 泰興路(泰兴路)を張園まで5分歩く